レビュー
今回の作品は、一般男女のモニタリングAVということで、夫婦の新たな可能性を追求する意欲作だと感じました。出演者の皆様の熱演には、ただただ感謝しかありません。
さて、私がこの作品を見て思い出したのは、カート・ウィマー監督の『Equilibrium』(2002)です。感情を抑制された世界で、主人公が感情を取り戻していく過程は、まさにこの作品で夫婦が新たな感情に目覚めていく姿と重なります。特に、主人公が初めて音楽を聴き、涙を流すシーンは、心の奥底に眠っていた感情が爆発する瞬間を見事に表現しており、今回の作品にも通じるものがあると感じました。
また、同じく2002年の映画『Food of Love』(原題: Manjar de amor)も思い出しました。この映画は、若いピアニストが著名な音楽家たちの注目を集める物語ですが、才能と情熱が交錯する中で、人間関係の複雑さや期待の管理が描かれています。今回の作品でも、夫婦間の期待や感情が交錯し、新たな関係性が生まれていく様子が描かれており、その点において共通のテーマを感じました。映画の中で、主人公が自分の音楽を見つけるシーンは、出演者の皆様が新たな自分を発見していく姿と重なります。